☆☆うる星ラムちゃん☆☆ TBリーグ シームレスフィギュア化計画!

このブログは、うる星やつらのヒロイン ラムちゃんを、TBリーグ(旧ファイセン)のシームレス素体を用いて1/6スケールアクションフィギュア化してみようという企画です。

【DIY】プライズ品フィギュアのヘッドをシームレス素体に流用した際に気付いたポイント【シームレス素体】

 

「プライズ品フィギュアのヘッドのシームレス素体への流用を検討しているので、流用加工に関する記述のある過去記事を教えて欲しい。」というコメントを頂いたので、今まで当方がプライズ品フィギュアのヘッドのシームレス素体への流用をした際に気付いた事について述べたいと思います。

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最後に、こうしたら良いのでは?という参考例を挙げました。

  •  未解決問題

 先に述べておきますが、今のところ当方自身が納得のいくヘッドの加工方法を見つけ出していません。

 

なので、どのヘッドも中途半端で不完全な物で「とりあえず素体にヘッドが載っている」状態で、既製品と同等の機能には遥かに及びません。

 

その為、あくまで当方が試してみて加工のヒントになる事例を紹介するだけです。コレが正解という決定版的な加工方法は提供出来ませんので、記事を読んだ皆さんそれぞれ各自の方自身の創意工夫で良い加工方法を編み出して下さい。

 

まずフィギュアのヘッドを加工する際の大きな流れとして 

  • フィギュアの材質のチェック
  • フィギュアの構造のチェック

 をしてから、

  1. どういう構造と完成形にするかをイメージ
  2. 加工手順(工程)を考える
  3. 実際に加工する

という順序になると思います。

 

  • フィギュアの材質のチェック

 現状プライズ品フィギュアの材質は、ほぼPVCかと思います。

 旧い物ではソフビもあります。

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それ以外のポリストーンやレジンは硬くて割れやすく加工の難易度が高いので、今回は割愛します。

 

  • フィギュアの構造のチェック

 フィギュアの構造的に

1.頭部が首に差し込んであるタイプ

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 2.頭部と首が一体で胴体に差し込んであるタイプ

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3.頭部・首・胴体が一体構造のタイプ

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があると思います。

 

PVCフィギュアの場合、概ね 

  • 顔面
  • 前髪
  • 頭部本体(首なしor首付きor首と胸部一体)
  • 後ろ髪(頭部と一体の場合も有り)

 という部品構成が多いと思います。

 

首が頭部に差し込んであるタイプ以外だと、首をカットする必要があります。

 首が頭部に差し込んであるタイプが、一番加工に向いています。

 

  • フィギュアのヘッドを流用して気付いた注意点

 今まで様々なフィギュアのヘッドを流用したり断念したりしてみて、気付いた注意点を挙げます。

 

これらをクリア出来れば上手い具合にヘッドと素体がフィットする筈です。

  • ヘッドのサイズ 
  • ジョイント部の構造 
  • ヘッドの肌色 
  • 首の前後位置関係 
  • 髪の干渉

 といった点です。 

  • ヘッドのサイズ

 ヘッドとシームレス素体の大きさのバランスではかなり苦労しました。

 

フィギュアのヘッドとシームレス素体の現物同士を実際に見てからフィギュアを入手出来なかったので、買って手元に届いてからヘッドが小さすぎて使えない物がかなりありました。

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概ね1/6スケールと謳われているフィギュアのヘッドは、シームレス素体に対してかなり小さめの場合がほとんどでした。

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フィギュアのヘッドを流用する場合、手持ちのフィギュアのヘッドがピッタリサイズだったから(同じものを入手して)加工したというケース以外では、多少のバランスの悪さはには目をつむるか「買ってみたけど合わなかったので、加工せずそのまま展示」となる可能性の覚悟は必要です。

 

このDBのランチのように、頭は小さくても髪のボリュームで余り気にならない物や、

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この左側のラムのように、同じヘッドでも意図的に髪のボリュームを足して誤魔化す手もあります。

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  • ジョイント部分の構造

 理屈としては、既製品のヘッドと素体のジョイント部分の構造をそのまま真似すれば上手くいく筈です。

 

なので基礎知識として既製品のヘッドのジョイント部分を見てみます。

 

旧ファイセンと思われるヘッドです。

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素体の首が約4ミリ被さるような窪みの中心に、ジョイントの球体が嵌る約7.7ミリ径の穴が開いています。

球体が嵌る穴の径は、素体側の球体部分の直径とほぼ同一で穴が柔らかい素材なので、スッポリと刺さって抜けません。

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KUMIK、タカラ・クールガール?オビツの自作用ヘッドも穴の径が違うだけで、概ね似た首の窪みとジョイント差し込み穴という構成です。

 

KUMIK

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オビツは穴の径が小さい

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しかしコレと同等の形状に加工するのは非常に難易度が高く、当方はこのジョイント部分の問題を解決していません。

 

当方の加工例は後述します。

 

  • ヘッドの肌色

 今までヘッドの肌色がTBリーグのペール肌と完全に一致したフィギュアは一体もありませんでした。

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塗り替えると口で言ってもそんなに簡単ではありません。

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多少の色違いは気にしない大らかさが必要です。

 

神経質な人は既製品のヘッドでも気に入らないと思います。

 

タミヤのウェザリングマスター等で微調整する手もありますが、完全一致はほぼ不可能と考えておいたほうが健康的です。

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  •  首の前後位置関係

 フィギュアのヘッドを流用する場合、素体のジョイント部分を差し込む為の穴を頭部に開ける必要があります。

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この穴を開ける位置で注意したい点があるので紹介します。

 

流用元になるキャラクターのフィギュアは、ほぼ間違いなく首がかなり細くデフォルメされた造形になっている筈です。

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対してTBリーグのシームレス素体は、リアル人体寄りに造形されているのでかなり首が太いです。

 

なので、何も考えずにそのまま元の首のセンター位置にジョイント用の穴を開けてしまうと首が太い分、場合によっては横から見た際にアゴの下の距離が短くなってしまい、思いきりアゴを引いてトドの真似をしているような格好になってしまう場合があります。

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ジョイント用の穴を開ける際には、横から見てアゴと首の位置関係をチェックしてから穴の位置決めをする事を推奨します。

 

  • 髪の干渉

 頭部のサイズと並んで問題なのは、髪の干渉です。

 

ドール系は植毛ヘアで、首を動かしても髪が胴体と干渉しませんが、フィギュアの髪はPVC製なので素体にヘッドを装着しようとした時点ですら、髪が胴体に干渉してしまう場合があります。

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当方はこの問題は未解決です。

 

髪が胴体に干渉して素体に装着不可のヘッドの場合は、頭部と後ろ髪のパーツの間に隙間を開けて、隙間をホットボンドで埋めたりしていますが、この場合はヘッドが装着出来ても、肩と髪が干渉して自由に頭を動かすことは出来ません。

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首の可動範囲は狭く、ポーズはほぼ固定になります。

 

当方はホットボンドのまんまですが、 パテで整形して髪と同色で塗装してしまえばかなり目立たなくなります。

 

ラムの場合、顔と前髪だけ流用して、後ろ髪は素体に干渉しないような形状で樹脂粘土で自作しています。 

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アイデア的には

 

  • アゾンの1/6キャラクタードールのように、ドール用ヘアーウィッグで植毛ヘッド化してしまう。

こちらは元々ソフビの髪でしたが、植毛に変更しました。

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  • 後ろ髪を短冊状に細分化して、ネオジム磁石やマスク用の樹脂製ノーズワイヤーを埋め込んで髪を可動式にしてしまう。

といった方法も思い浮かびますが、植毛ヘッドはなかなか思い通りのヘアスタイルにはならず、可動式の後ろ髪は口で言うほど簡単な加工では出来ません。

 

  • ジョイント部の構造

 最も重要なメインの部分ですが、当方は未解決です。

 

当方の場合、いくつかのパターンに分かれます。

  •  ソフビ等中空タイプのヘッドで、ジョイント用の穴を開けただけのタイプ
  • 元のPVC素材に穴を掘った物

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  • お湯丸くんタイプの樹脂やホットボンドでジョイント周囲を固めた物

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  • 中空タイプの中にお湯丸くんタイプの樹脂やホットボンドを詰めた物

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どのタイプも不完全でデメリットがあります。

 

  • 中空タイプのヘッドで、ジョイント用の穴を開けただけのタイプ

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首が固定されずに動いてしまい、望んだポーズを保持出来ません。

ジョイントの球体の下部の細い部分にビニールテープを巻いて、ヘッドに開けた穴とジョイント下部の細い部分との隙間を詰めて、ある程度の対策はしています。

 

  • 元のPVC素材に穴を掘った物

 ドリルのキリ(刃)しか持っていないので、細いキリから順に使って手で穴を拡大しますが、6.5ミリまでしかキリ(ドリル)がないので、球体の約7.7ミリまでは彫刻刀などで拡幅する事になり、穴の精度が低くキチンとジョイントが差し込めません。

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但しこの方法は、正しい工具で精度の高い工作をすれば、成功する見込みの高い方法です。

 

  • お湯丸くんタイプの樹脂やホットボンドでジョイント周囲を固めた物

 当初ダイソーのお湯丸くんタイプの樹脂を、湯で柔らかくしてから素体のジョイント部に巻きつけて、即座にあらかじめ大きめに開口してたヘッドの穴にまだ柔らかい樹脂を押し込んで固めていました。

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樹脂がヘッドと素体の首の間にはみ出してしまうのと、ヘッドを外す時に樹脂が割れてしまい、再びヘッドを差し込む事が出来ない点が難点でした。

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この峰不二子は、当初ヘッドの中空部分はホットボンドを流し込んで埋めて、ジョイント周辺のみお湯丸くんタイプの樹脂を巻いていましたが、首を外した際にお湯丸くんタイプの樹脂を素体側に残して外れてしまい、それ以降は樹脂を取り去ってヘッドは単に上に載せたせただけで使用していました。

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しかし動かす度にヘッドが取れてしまうので鬱陶しく、最近ヘッドが素体に付いた状態にして、元々お湯丸くんタイプの樹脂が巻かれていた時の隙間にホットボンドを流し込んで固めてしまいました。

 

ヘッドがポロポロ外れる事はなくなりましたが、ヘッドを外すことも出来なくなりました。

  • 中空タイプの中にお湯丸くんタイプの樹脂やホットボンドを詰めた物

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中空のソフビの内部に溶かしたホットボンドを流す場合、ホットボンドの熱が逃げずにソフビが熱で変形するので注意が必要です。

お湯丸くんタイプの樹脂やホットボンドは素材が柔らかいので、精度の高いジョイント用の穴をドリルで開けるにはかなりの技術が必要です。

 

  • 最後に

話が長過ぎて訳が分からなくなってきたので、こうしたら良いのでは?という手順の例を出して終わりにしたいと思います。

1.フィギュアの分解

加工しやすいようにフィギュアを分解します。

当方は分解方法を知らず力ずくで接着部分を引き剥がしましたが、PVCは熱湯に漬けると接着が剥がれやすくなるようです。

 

但し当方は試していないので、他のフィギュアの改造記事を参照して、熱で変形したりやけどをしないように自己責任で分解して下さい。

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2.首のカット

流用したいヘッドは中までムクのPVC製で、頭部と首が一体型の物と想定します。

首はカットしやすいように邪魔な後ろ髪などを分解して外したあとに、カッターや金鋸で切断します。

3.首の付け根の造形

切断した断面周辺は、シームレス素体側の首の先端が頭部に被るように造形します。

カッターや彫刻刀、リューターを使用します。

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ダイソーの電池式リューターはパワー不足で使用不能だったので、リューターを使用する場合は本格的な工作用でないと難しいようです。

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素体の首に被る窪みを整形せずに頭部にジョイント用の穴を開けただけでは、ヘッドと素体の首の繋がる部分が露出します。

そこまで気にしない人は、高度な工作はしないでコレでも充分OKです。

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4.ジョイント部分の穴開け

シームレス素体のジョイント部分の球体の径をノギスで計測し、その径の-0.1~0.2ミリ程度の径のドリル刃を用いて、正確な位置に正確な深さの穴を開けます。

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ヘッドは傷が付かないように養生をしてバイス(万力)にしっかりと固定し、ボール盤で正確な位置に正確な深さで穴を開けます。

穴は前述したように、シームレス素体の首の太さを考慮した前後関係の位置にします。

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シームレス素体のジョイント部分の球体の径より正確に-0.1~0.2ミリ小径にする事で、球体が引っ掛かり首を動かしても抜けなくなる仕様です。

 

当方はこの部分を精密に工作する事が出来なかったので、全て失敗しています。

今回S28Aの球体をノギスで測ったら、7.7~7.8ミリでした。

なので球体が7.7ミリだとすると7.5~7.6ミリのドリル刃を使用する計算になります。

 

但し実際に試した訳ではないので、それぞれ各自で最適な寸法は見つけて下さい。

7.6ミリで開けたらユル過ぎて失敗したと文句を言われても一切関知しません。

 

S24A等は小径になる筈です。この部分の数値は各自で測って、ドリル刃のサイズの選定は各自で決定して下さい。

当方は失敗しても責任を負えません。

 

0.1ミリ刻みの鉄鋼用ドリル刃は、大きめのホームセンターに売っています。

小さめの径から0.1ミリずつ穴を広げていけばピッタリした物が出来ますが、0.1ミリずつドリルを揃えるとかなりの出費となります。

 

ちなみに最低でもハンドドリル等の工具を使わないと、硬くて穴は開きません。

穴の軸が狂うので、バイス(万力)に固定してボール盤で開口するのが最良ですが、工具のない人は高くても買ったり借りたりするか、創意工夫するしかないです。

この穴の精度が最も重要となります。

 

他に、シームレス素体のジョイント部分の球体の径よりやや小径のビニールチューブを利用して、ビニールチューブの柔軟性でジョイント部分の球体を引っ掛けるというアイデアもあります。

 

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当方は手持ちの公称外形7ミリ/内径6ミリという、全く合わないサイズのビニールチューブの一辺を切ってC型になった物を使用してみましたが失敗しました。

 

こちらもジョイント部分の球体とビニールチューブの内径との関係の精度を上げないと失敗してしまうと思います。

5.組み立て/仕上げ

ジョイント部分の工作が上手く出来たら、頭部のパーツを組み立てます。

後ろ髪が素体の背中と干渉する場合は、前述のホットボンド等の方法でクリアランスを確保したり、後ろ髪自体を樹脂粘土やパテ等で自作します。

 

加工した部分を整形して塗装すれば完成です。

 

結局、丁寧で正確な工作をしないとヘッドとシームレス素体のジョイント部分で失敗してしまうようです。

 

以上を参考にして、各自で創意工夫をして工作を試して下さい。

 ヘッドと素体の色違いはある程度は誤魔化せますが、完全に合わせることは無理です。

タミヤ メイクアップ材シリーズ No.127 ウェザリングマスターH 87127

 

フィギュア用としてはNo.127HとNo.126Gが用意されていますが、それ以外も試してみる価値はありそうです。


タミヤ メイクアップ材シリーズ No.126 ウェザリングマスターG 87126

 

ドリルの刃(キリ)は、単品の0.1ミリ刻みのサイズでも販売されています。ドロップダウンリストから希望のサイズを選ぶと、値段も変わって表示されます。

誤サイズ購入に要注意です。


ナチ(NACHI) 鉄工用ドリル 1本入り シンニング12.1ミリ (金属・金工)

 

このようなセット品のほうが圧倒的に安いのですが、難点は0.5ミリ刻みのサイズです。

プラスマイナス0.5ミリの精度では、穴がキツ過ぎたりガバガバになります。 


KENOH チタンコート 鉄工ドリルセット 19PC

 

ビニールチューブもありますが、僅か数センチしか使わないのに1メートル買うのはコスパが悪いです。


uxcell PVCチューブ ビニールチューブ プラスチック製ホース 柔軟 クリア 内径8mmx外径11mm 長さ1 M

 

バイスもありましたがサイズと値段から、ホントに使い物になるのかは微妙です。

あくまで参考として掲載します。


髙儀(Takagi) M&M ベビーバイス 約H132×W61×D126mm

 

一番新しい?シームレス素体です。ヘッドが付属しない廉価版です。

当方は所有していないので、ジョイントの球体部分の計測は必須です。


「AC」TBLeague 1/6 アニメ ゲーム キャラクター 二次元 可愛い 美人 女性 アクションフィギュア 素体 ヘッド 交換パーツ PLLB2020-S36Aヘッドなし

 

ボール盤もちょっと微妙です。高くてもキチンとした物のほうが良い気がします。


H&H 卓上ボール盤ミニ HDP10B

 

100ミリまで計測の小さいノギスですが、測定具メーカーの製品ですし充分かと思います。 


シンワ測定(Shinwa Sokutei) ポケットノギス 100mm 19518

 

当方はダイソーのリューターしか持っていないので、どのリューターがおススメかは判りません。安くてもトルクのない製品は使えないと思います。 


リョービ(RYOBI) ホビールータ HR-100 682500A

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