今回は1/6スケールアクションフィギュアの劣化したレザー/エナメル風衣裳を補修してみる実験です。
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経年劣化してしまうと修復は厳しい。
1/6スケールアクションフィギュアのレザー/エナメル風衣裳、特に薄手の物で経年劣化で表面がヒビ割れて剝離してしまった物を多く見掛ます。
おそらく、ベースになっている布地と表面にコーティングされている樹脂系のレザー/エナメル風の素材の伸縮率の違いから、経年で硬化し始めた表面のコーティングがベースの布地の柔軟性に追従出来なくなって剝離してしまうのが原因と思われます。
今回実験で劣化して表面がポロポロ剥がれてしまったスカートとブーツをテストしてみましたが、結果的には上手く行きませんでした。
当方も複数薄手のレザー/エナメル風のコスチュームを所持していますが、この手の衣裳をお持ちの方には頭の痛い問題ですね(苦笑)
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実験方法
前述のようにレザー/エナメル風の素材は、布地をベースに表面にレザー/エナメル風の樹脂がコーティングもしくは接着されている物と想定されます。
なので、表面の樹脂部分を作ってしまおうという発想です。
被検体として、エナメル風のミニスカートとレザー風のブーツを使用しました。
双方ともレザー/エナメル風の表皮がボロボロに剥がれてしまっています。
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ブーツ修復大失敗
まずブーツで実験してみました。
このブーツ、元はアクションフィギュア用で内部に凸状の球体ジョイントが仕込まれた物でしたが、分解して球体ジョイント部分の樹脂部品を除去し、樹脂製のソール部と表皮部分のみにしてソールと表皮を縫製した本体を接着、内部を中空にしてシームレス素体に履けるように改造した物でした。
表面にコーティングしてある樹脂の代替品として、シリコーンのコーキング材を試してみました。
しかしコレが敗因でしたw ブーツ表面全体にコーキング材を塗布し、ポリフィルム(スーパーのビニール袋)の上から撫でて表面を均そうとしました。が・・・
途中で気付きました。コーキング材のシリコーンは空気中の水分に反応して固まるのでポリフィルム(スーパーのビニール袋)で表面を覆っていたら永遠に乾かない・・・(;'∀')
そこで、すぐにポリフィルム(スーパーのビニール袋)を剥がしましたが一向に乾く気配がありません。
使用したコーキング材がどうやら使いかけで長期間放置してあった物で、劣化して硬化不良となっていた様子です。
硬化不良のコーキング材を出来る限り取り去り乾燥。その間にスカートに取りかかりました。
スカートは後述する事にしてブーツの話を続けます。
除去して残ったコーキング材がほぼ乾いたと判断した後に、今度はダイソーのアクリル絵の具を全面に塗布しました。
水で希釈せずにチューブのまま塗り、乾燥後塗り重ねを数回繰り返しました。
表面は、ある程度の厚みのアクリル絵の具でコーティングされ、柔軟性もあって使用には差支えありませんが、元から残っていた表皮の樹脂とそれにこびりついたシリコーンと、露出した下地との段差で表面がボコボコ、まるでゴジラの体みたいなグロテスクな表皮となってしまいました。(´;ω;`)
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スカートの修復実験
こちらはエナメル調のパンク・ボンテージ風ミニスカートですが、表面が割れて剝離し、ペロペロと剥がれてしまった物です。
脱ぎ着のたびに剥がれた破片がシームレス素体に張り付いて素体を汚し、難儀してました。
一部は表皮が剥がれた際に布用接着剤(実質木工用ボンド)で下地の布に貼り付けています。
ブーツのシリコーンで、コーキング材は使用不能と判明した為に、ダイソーのアクリル絵の具しか選択肢がなくなりました。
ダイソーのアクリル絵の具を、水で希釈せずにチューブのままの濃さで塗り、4~5回乾燥→塗布を繰り返して表面の厚みを稼ぎます。
コチラもブーツ同様ある程度の厚みは稼げましたが、布用接着剤で貼った破片の部分と下地にアクリル絵の具を塗った部分の段差が酷く、本来滑らかな表面でツルツルな光沢のエナメルが別物と化しました。
更に、太ももを曲げたポーズにしたトコロ、ポーズを戻してもスカートは持ち上がったままの形状を保ったままでした。柔軟性に劣るようです。(手で引けば戻ります。短時間だけならなりません。)
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結論
劣化してしまったアクションフィギュア用のレザー/エナメル風衣裳や履き物の修復は、極めて難しく、素人が簡易的に補修することは困難と判明しました。
但し、オリジナルの状態にこだわらないのであれば、剝離してしまったレザー/エナメル調の樹脂層部分の補強的に柔軟性のある樹脂を塗布する事で補強することは出来ます。
今回のブーツとスカートは、見栄えは悪いものの、使用には問題ない柔軟性を得られているので今後も使用していきます。
ゴジラ足のブーツを見るたびにゲンナリしますがwww
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覚悟が必要?
このようなカタチで修復を試みる人は皆無と思いますが、レザー/エナメル風衣裳のアクションフィギュアを購入されるかたは多数居ると思われます。
なのでアクションフィギュアも、プレミアム価格のデッドストックスニーカーが加水分解してボロボロになってしまうのと同じで、どんなに厳重に保管していても、いずれは経年劣化で剝離してしまう物のように思えます。
価値が落ちるからと未開封のまま後生大事に保管しておいたところで、いざ開封した際には見事にボロボロというオチは避けられないので、それなら鮮度の高いうちに遊んで楽しんでしまったほうがフィギュア的にも本望だと思うのですがいかがでしょうか?
もし投機的目的でレザー/エナメル風衣裳のアクションフィギュアを購入される場合は、厳重に保管していても高値で売却できそうな年代になった頃には衣裳がボロボロというオチも覚悟しておく必要があるかもしれませんね。
文面にある通り半永久的とは思わないほうが良いかも知れません。
ファイセンで探してヒットしましたが適合は自身で判断願います。
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