というわけでシームレス素体の扱い方の続きです。
着たきりスズメや正座の後遺症
前回の色移りの際にも長時間衣装を着せたままにしないほうが良いと書きましたが、別の意味でもあまり着せたままにしないほうが良い理由があります。
長時間同じ衣装を着せたままにしていると、シームレス素体に衣装の締め付けの跡が残ったり、バストが変形したりします。
素体と衣装のコンビが確定していて着せ替えることがないのであれば、跡が残ってしまっても大きな影響はありませんが、着せ替える場合、跡や変形は残り、色移り同様に元に戻らないので注意が必要です。
また、いくらポーズが自由自在とはいえ、関節の限界まで頻繫に手足の曲げ伸ばしを繰り返したり、限界以上に曲げようとしたりすると、関節がゆるくなりポーズの保持ができなくなります。
それから、長期間外皮のシリコーンが変形する状態まで関節を曲げた状態にしたまま展示したりしていると、外皮が歪んだ状態でくせが付いて戻らなくなったり、密着していた部分がくっついて無理に剥がそうとして裂けてしまう危険性があります。
なるべく衣装を着せたままやキツポーズのままを避けてキツい服は脱がせたりゆるめたりして、自然なポーズに戻して保管したほうが良いかと思われます。
お手入れ方法
まず根本的な考えとして、シームレス素体はシリコーンで成形された品物なので、半永久的にコンディションを保てるわけではなく、いずれは崩壊してしまうモノであるということを認識して、その覚悟を受け入れておく必要があります。
なので当方は、徹底的に厳重な取り扱いはせずに、ラフな扱いで徹底的に遊び倒しています。
神経質に扱うならば手袋をはめて触れたほうが良いと思いますが、いずれは壊れてしまうので、手袋をはめて神経質になるストレスより、壊れるまでに徹底的に使い倒してしまおうという方向性の考えを持っています。
そのため正式の厳重で神経質なのお手入れ方法は知らず、自己流のメンテとなります。以下参考にする場合は自己責任でお願いします。
基本的に紫外線で劣化してゆくはずなので、神経質に扱うには冷暗所に保管なのでしょうけれども、構わず室内にケースに入れずに展示しています。ただしポーズは直立状態に戻して直射日光には当てません。
ケースに入れずに素手で触れていると、しだいにホコリが堆積したり手垢で汚れてきます。そこで汚れが酷くなってきたら全裸にしてヘッドを外し、ぬるま湯の流水で汚れを洗い流しています。汚れが酷い場合は薄めた食器洗剤も使用します。基本的には指でこすり、古歯ブラシまではほぼ使用しません。
洗浄後は水気を完全に拭き取り(当方はキッチンペーパー使用)タルク粉をまぶします。当方はタルク粉がなかったのでベビーパウダーを使用していますが、ベビーパウダーの原料はほぼタルク粉で、香料等が微量混ざっている程度です。
アスベストと同じ鉱物が原料なので、あまり吸い込まないほうが良いと思います。
主なメンテはコレだけですw
ベビーパウダーは、ダイソーの絵筆につけて塗っています。化粧ブラシがあれば最適かと…
ちなみにこの際に落ちてしまった肌の陰影をパステル粉で施し、混色したアクリル絵の具で乳首を塗り直しています。用具はすべてダイソー製品ですw
使用せずに保管する場合、洗浄後水分を除去してタルク粉をまぶしてから、できれば元のブリスターパッケージに戻して保管したほうが良いと知りました。
レジ袋に入れて数日保管していたら、密着していた腕と胴体がくっついてしまい、危うく皮膚が裂けるところでした。ブリスターパッケージが腕も脚も半開きなのは密着を避けるためなのですねw
おまけで一つ加えます。普通に使用している分にはまずありえませんが、何かの拍子にトラップにハマるかもしれないので書いておきます。
撮影で衣装がずり落ちてしまうので、近くにあったビニールテープで衣装を貼り一晩放置したところ、ビニールテープが肌に密着してしまい、皮膚を裂きそうになりました。
うかつにテープやシール類を貼らないほうが賢明ですw